発音千夜一夜<後編>

発音の続きです。

2冊目に完膚なきまで挫折したので考えを改めました。
いくらトレーニングに最適な教材であろうと、綴りさえ見れば発音がわかるようになる教材であろうと、自分が発音出来なければ同じ事です。
3冊目は「発音の仕方がどれだけわかりやすく説明されているか」を重視して教材を選びました。

そして発見したのが以下の本です。

唯一無二のおすすめポイント=DVD

例によって万人に最適とは言いません。この本は発音の仕方が一切わからない本物の初学者向け。
最大の特徴はタイトルにもあるDVDです。

考えてみれば当たり前の話ですね。
なぜこのマルチメディア時代にうん十年前と変わらず音声と書籍だけで発音学習をしなければいけないのでしょう?
変わったのはテープがCDになったぐらいでしょうか。
Skype英会話スクールだTEDだポッドキャストだ言っている割にこういう英語学習の根っこの部分は旧態依然です。



発音の口の動きなんて「上顎に舌の付け根を押し付け口をすぼめ」など、どれだけ詳しく記述されるより実際の人がしゃべっている動画を見るのが一番早いです。
まったく違いが実感出来ず頭に入って来なかった発音記号もこのDVDを見るとしっくり理解でき復唱出来るようになります。
あと地味にいいのは動画だとテキストが不要なこと。
CD教材だとテキストのページをめくり目で単語を追いながら音源のポーズ、再生、巻き戻しなどけっこう忙しいですね。
それが動画だと画面に発音記号も単語も口の動きも全て一画面ですので集中出来ます。スマホなどに入れちゃえばどこでも見れますしね。

フォニックスも発音記号も学べる

DVD以外にもこの教材の優れている点があります。それはなんとフォニックスの考え方も書いてあるんですね。

※以下は自分の記憶で勝手に意訳したものです。あくまでニュアンス。もちろん書籍内ではもっとちゃんとした説明ですので正しい説明はそちらをどうぞ。

cutの母音はuなので英語では「ア」と短く発音します。
ただし「cute」のように最後にeがつく場合uの発音は「ュウー」となります。
uのアルファベットの読み「ユー」と似てしまう。この最後につくe「マジックe」と言います。

ぐらいの説明はちゃんと説明されています。これがフォニックス式だとは一言も書いてありませんが。
しかも前回レビューした「フォニックス“発音”トレーニングBook 」にはおまけでしかついてなかった発音記号も発音ごとにきっちり記載。
もうほんとね。なぜこの本が発音ジャンルで売上No1で定番にならないのかわからない。
まあ確かにちょっとお高いですけどオールカラーでDVD以外にCDまでついてくるのに。

本書の欠点

と言うことで素晴らしい教材だったのですが私は別にこの筆者や出版社の回し者ではないのでちゃんと合わなかったところも書きます。

まず発音記号が古いらしい。私も詳しくないですがジョーンズ式というやつみたいですね。
現在の参考書はIPA式という発音記号が一般的なようです。そのほうが英語だけではなく他の言語も表現しやすいそうで。
しかし自分の持ってるリーダーズ英和辞典などを調べても一部ジョーンズ式ですので本書というより世間が統一しきれてないのかなという気もします。
あまり知ったかぶったことを書くのもはばかれるためこの件は興味ある方は調べてみてください。
逆にIPA式で勉強した人がジョーンズ式の教材にぶつかることだってあるだろうし難しい問題ですね。
ただアメリカ英語を中心に英語を学習するためならそこまでは気にしなくてもいいんじゃないかなというのが調べてみた感想です。

もう一点、前回力説したように発音とは筋トレと同じで毎日の反復トレーニングが必須です。
なので毎日やるために反復しやすい短さが大事なのですが…。この教材のCDはなんと二枚組です…。
DVDは噛み砕いて説明するので長さは仕方ありません。むしろ嬉しいぐらいです。
ただCDはもう少しコンパクトにまとめて欲しかった…。個人的には早口言葉などは要らないかなーと思います。
またhとfなど間違いやすい発音の練習は重要ですがそれは独立させてもらったほうがいいかな。

ですのでこの教材は発音の仕方、発音記号、そしてフォニックスの基礎を頭で覚えるために使います。
身体に定着させるトレーニング用途には向きません。まあ上記だけで画期的な教材なんですけどね。

具体的な学習方法

で、私の実践した方法はこうです。

1.最初の2週間ほどDVDをだいたい10分ぐらい見ながら練習。(アに似た発音の前半とか)
2.DVDで練習した項目をテキストで見ながらCDで学習。再生時間にして20分ぐらい。
3.CDはゆっくりポーズしながらテキストも熟読する。(フォニックスなども書かれているため)

これで一日40分ぐらいでしょうか。これを2週間ぐらいやります。だいたい教材を2,3周できます。
そうすると身体的にナチュラルに発声できるには程遠いですが、単語や発音記号を見ればゆっくりなら正しい発音が出来るようになります。

ここから「英語耳(敢えて旧版をオススメ)
」の出番です。前のエントリーで紹介したとおり毎日英語耳のCDを使い身体に発音が定着する「筋トレ」を行います。
この期間は人によって違うと思いますが最低一ヶ月ぐらいは続けるべきではないでしょうか。
それ以上はある程度本人の手応えを信じるしかありません。
ただ変にこだわりすぎて完璧を目指して足踏みするのは避けるべきです。
発音練習はメインではないにしても最低100回繰り返す音読パッケージで実践出来ますから。

発音にかぎらず完璧を目指しすぎると遠回りになるし何より心が折れる原因になります。
以上、初学者が初学者のために送る勉強方法です。
英語耳やフォニックス式オンリーできっちり発音を学習できた優秀な人には見たら馬鹿にされるかもしれません。
もちろん教材代も考えると一冊で済むのに越したことはありませんしね。
ただ初学者は中級者?が思わぬところで詰まることがあるので敢えて詳しく書いてみました。
参考になる人がいればいいのですが。

というわけで発音アレルギーの克服編でした。
ただ実は音読パッケージを繰り返すのなら知っておきたいことがもう少しあります。
「waterのtって聞こえなくない?」「get toって何回聞いてもゲットゥーにしか聞こえねえぞ」
こんな経験ありますよね。
ちゃんと単語を辞書に載ってる発音記号の通りに発音しているのにネイティブが話す音声では違う音に聞こえる例のあれです。
これは自分も学習中ですし、また長くなってきたのでまた別エントリーで。


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